『炎や』は鋳鉄の鉄瓶、急須、杯を扱います。
闇の土から生まれ、熱い炎の洗礼を受けてでこぼこの美しい肌が顕れました。今年の「炎や」のテーマは茶です。
茶のための道具です。茶は薬でもあり心の癒しの魔法の葉っぱでもあります。
人と人の心を繋ぎ、永劫の時間を繋ぎます。
鉄で湧かすお湯は鉄分が溶け込んで身体の中に鉄を運びます。
熱いお茶と鉄を含んだ湯の効用を身体中で感じてください。
お茶も鋳鉄も土の中から沢山の物語を持ち出しました。
口に含んで舌でその物語を読み解いてください。
そこに死んだ虫たちの鳴き声も聞こえます。腐れ果てた巨木
のうめき声も聞こえるでしょう。何億年の土の歴史がこの鉄
の道具たちに響いています。
チ~ンという鉄の音は悠久の歴史の響きです。
鉄は古くて新しい素材です。紀元前3000年の遺跡からも発掘されています。
日本では5世紀の終わり頃から出雲地方で製鉄が始まりました。
農機具になりあの日本刀の美しい輝きにもなりました。
そして、今、都市は鉄の力で人間の歓びを象徴する超高層建築にもなりました。
鉄は火星を象徴してもいます。日本では鉄は邪悪な力を取り除くとも言われています。
古くて新しいこの鉄の魅力を湯と茶に近づけました。
鉄は湯と茶によって人の口の中につながり、人の健康を導くのです。
「炎や」は天の力を借りて地と人を繋ぎます。
炎や亭主 黒川雅之
http://designcommittee.jp/mekiki2/
2012年9月26日(水)〜10月1日(月) 午前10時〜午後8時
初日26日(水)は午後7時閉場、最終日午後5時閉場(入場は閉場の30分前まで)
松屋銀座8階イベントスクエア
一般800円 / 高大生600円 / 中学生以下無料