モビリタって知っていますか?
富士山の麓のフジスピードウェイの一部に不思議なグラウンドがある。レースのコースでもないし、自動車練習場でもない。
そこへこの悲劇的な大地震の前に行って来た。
カタストロフィ、日本語では破綻とでも言うのかな・・・まさに日常を切り裂く大事件がこの地震だった。突然、多くの人が命をなくし、人生を切り裂かれて、まさに大破綻だった。
モビリタとは自動車運転に際してのこのカタストロフィに際しての蘇生の仕方を教える施設だった。
人間のつくった街が地震によって発生した大津波にずたずたに破壊された。原発もその自然の力には勝てなかった。計算はしていたのに、街も原発も自然にその裏をかかれ、自然の偉大さと人間の浅はかさを教えられた。命を掛けて僕たちはこのことを知らされたのだ。
モビリタは自動車運転という生活の1シーンにある「運転者」と「自動車」と「道路/街」との関係のあり方を学ぶ施設だった。
いつでも起こりうるこの3つの関係のカタストロフィをどう乗り切るか・・それを学ぶ施設だった。
「高速走行時、突然、前に現われた人を避けるために急ブレーキを掛けるとどうなるか?」を実際にやってみる。
「急カーブを走行中に急ブレーキを掛けると車はどうなるか?」を実際に運転してやってみる。
「濡れた路面での急ブレーキを掛けるとどうなるか?」もやってみるのだ。
様々な異常な体験をしながら「路面や街」と「車」と「運転者/自分」の一番好ましい位置関係を学んでいくのである。
ライディング・ポジションは意外にしっかりとフロントガラスに近いところだと教えられた。確かに、前方に身体を置くと「車と自分との関係」がしっかりとする。
乱暴にブレーキングをして、車に装備されたABSとVSCが如何に「車と路面の関係」の調整をする優れた装置かを思い知らされた。
大切なのは「街や道行く人」と「運転する人」の間に「車」が介在すること。その3つの要素が優れた関係をどうしたら保持できるか・・・それが安全であることのポイントなのだと知ることになった。
身体で感じることの凄さ。
大震災も「人類」と「自然」との好ましい関係を教えてくれたのだろう。
自然の中で人類はこれからも挑戦的であるべきだろう。どんなカタストロフィがあろうと人々は夢を描き続ける。大切なのはその挑戦と夢はそのままに、自然を知り、謙虚な心を持って自然と人間の関係の形を探していくことだろう。
この体験がこんな記事になった。
http://www.toyota.co.jp/mobilitas/index.html
2011、03、31