5月 25, 2014
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心の中に宇宙があるから、宇宙のことを語るのに自分の心の中を覗くと宇宙の思想が見えてくる。いろいろあるけれど生命ってなんだろうと考えるとちゃんとそれなりに教えてくれる。調和って何だろうと思ってもその答えがちゃんとある。

だから詩人は言葉で世界観を心の中から読むことができるし思想家は思想だって書ける。建築家もこうして心の中からいろいろな思想を紡ぎ出して建築を織り上げる。そとから手に入れる思想もいったん自分の中に入れて洗浄すると自分の言葉になってでてくる。

どんどん外から思想を学ぶし、いろいろな自分の体験から見えてくるのだけれどそれを言葉に置き換えるのはそう簡単なことじゃない。新しい事態に頭にあるこれまでの概念が邪魔をして新しい言葉に置き換えられないことだってある。でも捨てるのももったいないから・・・と保存していたりする。それが新しい概念につながることもあるが死んでいくこともある。

今、「乱」と「渾沌」という2つの概念に囚われている。これまで思索してきて見つけた複数の概念をまとめてしまう力があるのだがその神髄を把握するには遠い距離がありそうである。僕は「乱の美意識」と「渾沌の思想」と言っている。
生命はこのあたりに潜んでいる気がしている。「夢蝶庵」を設計しながら辿り着いたのだけれど、もう2つ3つこの周辺を探りながら設計をしたいなと思っている。
建築は僕にとって最高の思索の手段だ。言語だけではなく作品で思想を探ることができるのは有り難いなと思う。
(写真は夢蝶庵の内部の一部)