人は今を生きると言ってきた。過去を振り返ることは過剰であってはならないし、未来を思うことはいいことなのだが未来のために今を犠牲にすることを僕は好まない。過去を振り返らなくても、未来のために今を犠牲にしなくても、今さえ真剣に生きていれば過去も未来も含まれると僕は思っている。それは今の中に過去は記憶として、未来は願いとしてちゃんと入っているからだ。
今を真剣に生きるという中にこれまで育ててくれた多くの先輩達への感謝もあれば,僕の死後の世界への気遣いもある。
そんな僕のことだから、次世代のために何をするべきかを今の問題としていつも考えている。面白いことなのだが人はどうやら自分の生命の先までを生きているらしい。単にDNAが伝わるということだけではなく、気付いたらまだ100年や200年生きているかのように未来のことを気遣っている。
その未来への想い、次世代への想いは被災地の再生の計画として提案したり、大学などで教育したり、講演会だってそのためだろう。僕はそんなことの他に「K塾」をやったり「物学研究会」を組織したり、「デザインプロポーザル」の活動をしている。今日はそのデザインプロポーザルのことを書こう。
<dp>、デザインプロポーザルとは複数の企業に参加していただいて「デザインの提案を世界のデザイナー達に求める仕組み」である。現在は「良品計画(無印良品)、h concept (アッシュコンセプト)、IDEA INTERNATIONAL (イデアインターナショナル)、UNION (ユニオン)、そしてK(ケイ)がネット上に課題を提出してアイディアを求めている。若いデザイナー達が商品化を目指して提案するサイトなのだ。
そうは簡単には商品化して貰えるようないいアイディアは生まれてこないのだが、多くの若者達がこれを道場のように頑張っている姿は心地よい。
これまで英語と日本語だけだったのだが中国語を加えるべく準備を始めている。そうはいっても各社に中国語のメールが来たのでは夫々の参加企業の体勢が追いつかないから応募は英語か日本語になる。中国を含む多くのアジアの国々ではデザインは今、沢山の若者達が真剣である。
この9月には上海でも台湾でも北京でもデザイナーズ・ウィークが開催され、僕も中国、香港,台湾と20日程、講演や展覧会でアジアを駆け巡ることになっている。
この<dp>というサイト、是非除いてください。デザイナーの皆さんは提案してみてください。またこのサイトへの企業としての参加を検討してください。
http://www.design-proposal.net/