2021.06.14
「クロストーク / CROSS TALK」とは・・・・
物学研究会が主催する新しいオープンイベントのご案内です。 物学研究会は黒川雅之が1998年に設立した会です。これまではものづくり企業のデザイン部門を中心としたクローズドな集いでしたが、今年からは小組織や個人の経営者、クリエイター、ビジネスパーソンにも参加の門を開き、より多様な視点から物学の思想を育む場所になります。 物学研究会の「例会(毎月1回開催)」は講師を招聘し、提言を受け、議論を通じて理解を深める場です。この「クロストーク(年間4回程度)」はゲストと物学メンバーのよりインタラクティブでオープンな議論の場です。 物学研究会は「思想をつくる」ための場作りを目指します。入会にご興味のある方はこちらより概要をご確認いただき、事務局までお問合せください。まずはこのクロストークへのご参加をお待ちしております。
クロストーク 001
●登壇者:
太刀川 英輔さん(NOSIGNER代表、デザインストラテジスト、進化思考家、慶應義塾大学大学院特別招聘准教授)
三島 由樹さん(ランドスケープデザイナー、株式会社フォルク代表取締役)
黒川 雅之さん(建築家・プロダクトデザイナー、物学研究会代表)
モデレーター
黒川 彰さん(建築家、物学研究会事務局長)
●日 時:2021年6月14日(月)17:00~19:00 オンライン
●テーマ:
「反近代」或いは「脱近代」
デジタルの時代になって、気づけば近代思想はどんどん後ろに追いやられているなと感じています。しかし、それでも根強く近代思想である「ヨーロッパの世界観」からは脱しきっていません。今でも「統一」や「調和」や「進歩」という概念がはびこっていますし、「自由」や「平等」の意味を深く問うこともなされているとは思えません。
反近代、或いは脱近代の芯にあるのは新しい生命論やデジタル思想が開いてくれている、「多様性と生態系」の概念ではないかと思っています。そこでは寛容や混沌が、矛盾や葛藤が支配的で、静的な「統一や調和や進歩」の発想は許されません。
たくさんの人達はもうとっくに気づいているのですが、ヨーロッパの世界観はキリスト教的であり、そこで生まれた近代思想はどうしてもキリスト教的にならざるを得なかったのでしょう。古くて新しいこのテーマを三人で考えてみようと思います。
新しい視点で建築からプロダクトやグラフィックデザインまで広角の活動をする太刀川英輔さん、ランドスケープデザインの世界で活躍する三島由樹さん、このお二人と僕の三人で語り合いたいと思います。(黒川雅之)
●講師経歴
太刀川 英輔(タチカワ・エイスケ)さん
NOSIGNER代表・デザインストラテジスト・進化思考家・慶應義塾大学特別招聘准教授
https://nosigner.com/
創造性を生物の進化から学ぶ「進化思考」を提唱し、様々なセクターの中に美しい未来をつくる変革者を育てることで、人の創造性の更新を目指す広義のデザイナー。
デザインで美しい未来をつくること(実践:社会設計)、自然から学ぶ創造性教育で変革者を育てること(理念:進化思考)を軸に活動を続ける。
プロダクト、グラフィック、建築などの領域を越え、次世代エネルギー、地域活性、SDGsなどを扱う数々のプロジェクトで総合的な戦略を描き、成功に導く。
グッドデザイン賞金賞、アジアデザイン賞大賞他、100以上の国際賞を受賞。DFAA(Design for Asia Awards)、WAF(World Architecture Festival)等の審査委員を歴任。
主なプロジェクトに、OLIVE、東京防災、PANDAID、山本山、横浜DeNAベイスターズ、YOXO、2025大阪・関西万博日本館基本構想など。
著書に『進化思考』(海士の風、2021年)、『デザインと革新』(パイ インターナショナル、2016年)がある。
●2021年に出版した『進化思考』ベストセラー
三島由樹(ミシマ・ヨシキ)さん
ランドスケープデザイナー、株式会社フォルク代表取締役
https://www.f-o-l-k.jp/
東京生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。
ハーバード大学大学院デザインスクール・ランドスケープアーキテクチャー学科修了(MLA)。マイケル・ヴァン・ヴァルケンバーグ・アソシエーツ(MVVA)ニューヨークオフィス、東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻助教の職を経て、2015年 株式会社フォルクを設立。
植物・ひと・まちの新しい関係文化をつくるデザインを行う。一般社団法人ソーシャルグリーンデザイン代表理事。八王子市まちづくりアドバイザー。加賀市緑の基本計画策定委員。白山市SDGs未来都市推進アドバイザー。IFLA Japan委員メンバー。登録ランドスケープアーキテクト(RLA)
●下北線路街園藝部
黒川雅之(クロカワ・マサユキ)さん
建築家・プロダクトデザイナー、物学研究会代表
http://kandk.shop-pro.jp/
http://www.k-system.net/butsugaku/
名古屋工業大学、早稲田大学理工科大学院、博士課程を修了。建築設計から工業化建築、プロダクトデザイン、インテリアデザインと広い領域を総合的に考える立場をとり続けている。現在ではそれらを総合する理論として「物学」を主張して物学研究会を主宰し、デザイナーの創造活動を支援するウェブサイトとしてデザイントープをも運営して、創作活動だけではなく、国際デザインコンペの主催等のデザイナー支援の活動をもしている。そして、2007年4月には株式会社Kを設立して自分のデザインした作品を中心に製造するプロダクションを開始した。これによって「創作の場としての黒川雅之建築設計事務所」と「情報システムとしてのデザイントープ」と「交流と研究の場としての物学研究会」と「製造と販売の場としての株式会社K」のリンクし合う四つの組織のKシステムが完成した。金沢美術工芸大学において芸術博士学位取得。復旦大学上海視覚芸術学院客員教授。(21_21
DESIGN SIGHT WEBより)
著書
「野生の衝動|東アジアの美意識」
「八つの日本の美意識」(電子版)
●黒川雅之さんがデザイナーを務めるブランドHERE 最新作